下肢静脈瘤とは

下肢静脈瘤は時間と共に進行する

ステージ
ステージ1
夜間に足がつる
浮腫や怠さを感じる
ステージ2
血管が蜘蛛の巣状に
浮いて見える
ステージ3
血管がこぶのように
突出している
ステージ4
ふくらはぎや足首の
皮膚が黒ずんでいる
ステージ5
皮膚潰瘍(かいよう)
が起きる

下肢静脈瘤とは

足のコブ血管が一番多い症状

下肢静脈瘤は日本人のうちの10人に1人の割合で起こるといわれている病気で、特に妊娠および出産をご経験された女性では2人に1人の割合で起こるとされています。

下肢静脈瘤に罹患すると、下肢(いわゆる足のこと)の血流をコントロールする弁に異常が発生して、本来であれば心臓に送られなければならない血液が逆流してしまいます。それによって、静脈が風船状、または瘤(こぶ)状に膨らんでしまう症状が出ます。

小さなコブが1、2個程度なら気にならないという方も多いですが、数や範囲が拡大してくると、人前で足を出すことがためらわれるようになります。

このような下肢静脈瘤の症状は、初期の段階であればマッサージによる治療や生活習慣の見直し・改善などによって通院せずとも回復できる稀に場合があるものの、自然治癒は見込めない症状です。

命の別状はない症状であるとはいえ、下肢静脈瘤に罹患したまま放置しておくと、ふくらはぎのむくみ、皮膚の黒ずみや変色、こむら返りといった初期症状が続きます。さらに症状が進んでしまうと、最悪の場合、皮膚の潰瘍が起こって血管に穴が開き、出血する可能性もあるのです。

このように、下肢静脈瘤は深刻な症状に進行する可能性も否定できないため、気になる症状がみられた場合には、速やかに下肢静脈瘤を専門に取り扱うクリニックで受診することを推奨いたします。

足のコブ血管が一番多い症状

下肢静脈瘤が生じるメカニズム

血液の逆流を防止する弁の機能障害が下肢静脈瘤の主な仕組み

逆流防止弁が壊れることで発症

私たちの体内には、全身に血液を送り込むために活発な活動を行う「動脈」と、酸素や栄養素を体内に運び終わった血液を心臓へと戻すために活動する「静脈」のふたつの種類の血管があります。
下肢の静脈に関しては、筋肉を収縮させるときに起こる筋ポンプ作用を利用して心臓に血液を戻しています。しかし、このときに重力に逆らって血液を心臓まで戻す必要があるため、「静脈弁」と呼ばれる弁が逆流防止のはたらきをして、血液の流れを正常に保ち続けているのです。
下肢静脈瘤を罹患すると、逆流を防止している「静脈弁」が、疲労や老化などを起因として機能障害を起こします。それにより、血液が逆流して血管内に溜まってしまい、風船状、または瘤(こぶ)状に膨らんで、足に負担をかけ、様々な症状をもたらします。

下肢静脈瘤の原因

主に5つの原因が発症の引き金に

下肢静脈瘤がみられる場合の原因として、代表的なものを5つご紹介します。下肢静脈瘤の症状がみられ、以下に少しでも当てはまる場合には、医師の診察を受けてください。

加齢および老化によって体力・筋力が低下している
下肢静脈瘤は50代前後から起こる割合が上がってくる病気であると言われており、加齢および老化によって体力・筋力が低下することが主な原因とされています。
そもそも、逆流防止のために存在する「静脈弁」は弾性線維とコラーゲンによって構成された軟部組織(強度が高くない組織)であるため、加齢および老化による機能不全が起こりやすい部位なのです。
立ち仕事によって下肢の筋ポンプ作用が低下してしまう
「美容師」「販売員」「調理師」「教師」「キャビンアテンダント」など、長時間の立ち仕事に従事する職種についている方は、下肢静脈瘤の症状が出やすいとされています。その他、1日に10時間以上の立ち仕事を行う職種も同様です。
長時間の立ち仕事によって、逆流を防いでいる「静脈弁」に、血液が重力によって負担をかけ続けるため、「静脈弁」に疲労がたまり、機能不全を起こすことで、下肢静脈瘤を罹患する可能性が高まるのです。
妊娠や出産を経験したことで下肢静脈に負担がかかる
妊娠および出産を経験した女性のうち、実に2人に1人が下肢静脈瘤を罹患する可能性があるとされています。これは、妊娠・出産時に下肢静脈に負担がかかりやすいためです。
さらに、妊娠中には静脈がホルモンバランスによって普段よりも柔らかくなります。また、腹圧上昇で「静脈弁」に負担がかかる場合もあります。(※ただし、妊娠時に発症する下肢静脈瘤は、例外的に自然治癒される可能性があるため、出産を終えてから半年程度の経過観察が必要となります)
両親など、血縁者の中に下肢静脈瘤の罹患経験者がいる
下肢静脈瘤は遺伝によって発症する場合があります。具体的には、片親が下肢静脈瘤を発症した経験がある場合は罹患率50%、両親ともに下肢静脈瘤を発症した経験がある場合は罹患率90%と、非常に高い確率で発症することが確認されています。
遺伝によって下肢静脈瘤が発症する可能性をお持ちの方は、「静脈弁」の機能が生まれつき弱いこともあり、30代や40代など、比較的若い年齢から罹患する場合もあるため、注意する必要があります。
その他
下肢静脈瘤は、「重度の肥満による血行不良」や、「便秘による腸の拡大による静脈圧迫」などによっても発症する可能性がありますので、心あたりのある方は注意してください。

下肢静脈瘤の代表的な症状の分類と治療方法

下肢静脈瘤の代表的な症状としては、以下が挙げられます。ひとつでも当てはまる症状がある場合は、罹患している可能性があるため、速やかに当院までご相談ください。

  • 足の血管が凸凹と過剰に浮き上がって見えている
  • 足の血管が風船状、または瘤(こぶ)状に膨らんでいる
  • 足の血管周辺に黒ずみ、色素沈着などがみられる
  • 足がつる現象である「こむら返り」が頻繁に起こる
  • 足の疲れ、痛み、だるさなどの症状がみられる
  • 足の皮膚に、ただれたような潰瘍や出血の症状が出ている

下肢静脈瘤の症状の分類について

下肢静脈瘤には、具体的には以下の3種類の症状分類がみられます。

伏在型(ふくざいがた)静脈瘤

大伏在静脈瘤(足首から太ももの内がわ)

伏在型の静脈瘤には、足首から太ももの内側にかけて発症する「大伏在静脈瘤」と、ふくらはぎの後ろから膝の裏にかけて発症する「大小伏在静脈瘤」の2つがあります。これらの症状が進行した場合、循環障害を起こす恐れがあるので、手術が必要となります。

軽症静脈瘤

網目状静脈瘤/くもの巣状静脈瘤

網目状および蜘蛛の巣状に、青白い血管や赤紫色の血管が細く浮き上がってくる症状がみられた場合は、軽症静脈瘤である可能性があります。軽症と称されているとおり、足の機能への大きな問題は起こりません。
しかし、美容的な観点で軽症静脈瘤であっても治療したいと考える患者様は多くいらっしゃいます。その場合、「硬化治療」を用いて対処することが可能です。また、前出の「伏在型静脈瘤」が合併して起こっていないかどうか、念のために超音波検査をお受けいただくことを当院ではおすすめしております。

陰部静脈瘤

陰部静脈瘤は、妊娠および出産を経験した女性にみられる症状で、陰部周辺に静脈瘤を発症したり、生理の際に足が重くなったり、足の痛みが起こったりするという特徴があります。
ただし、これらの症状は例外的に、出産後半年くらいで自然治癒される可能性もあるため、経過観察が必要となります。それでも改善がみられない場合には、「硬化治療」を適用して治療を行っていきます。

陰部静脈瘤

下肢静脈瘤の検査方法とは

専任の医師が超音波検査を行います

広島静脈瘤デイクリニックでは、「超音波検査(エコー検査とも呼ばれる)」によって、確定診断を行っております。
また、当院院長の今西医師は東京大学医用生体工学の客員研究員であり、東京大学で開発した世界に一台の高速サーモカメラによって静脈瘤の治療前後ではっきりと効果を確認することが可能です。

下肢静脈瘤の検査

超音波検査を行う場合には、下肢静脈瘤の専門医が対応する必要がありますが、当院では血管外科にて豊富な経験を持つ今西医師が担当いたしますので、安心して検査をお受けいただくことが可能です。

過去には、下肢静脈瘤の検査方法として、身体に負担の大きい「静脈造影(注射やレントゲンによって造影を行う手法)」が主流でした。しかし、広島静脈瘤デイクリニックは、身体への負担が少ない新しい「超音波検査」を実施しております。

なお、超音波検査の手順を最後にご紹介しておきます。

  • 皮膚にゼリーを塗布する
  • 身体の表面部分から静脈の状態を調べる
  • 検査は10分程度で完了でき、痛みは伴わないので安心できる